第一章

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近くの川辺に一緒に穴を掘って犬を埋めた。 ただそれだけなのに。 以来、楠木は俺に懐いてしまって、休み時間までも付きまとってくる始末だ。 明るく、活発。少々暴走するが、それでも献身的で俺の言うことには逆らわない。 女だったら間違いなく国宝級の逸材だと思う。 俺はダメ人間だから、つくづくこう思う。 返す返すも、こいつが女だったら。 「先輩? 聞いてますか?」 「お前モンゴル行って来い」 「えっ、あれを、切除して来いって事ですか? うーん…ま、先輩がそう言うのなら」
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