Gi・JiN3 ~Fake Rain~

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  僕は見たんだ。 みんなが見てないだけだ。 「あの女たちは殺人鬼だ」 「殺しを楽しむ快楽殺人者に違いない」 なんていうことを口々に言う。 確かに今まで犠牲になった人達の殺害方法は様々だった。 水攻めや火あぶりによる溺死や焼死。 もちろん斬殺もある。 時には体を数十等分にも斬り刻むことも。 それでも僕は彼女たちが好きでやってる様には思えない。 そう語ると友人は一笑してから言った。 「あいつら暗くもないのにローソク立てて殺(や)ることだってあるんだぜ。趣味だよ。いつか俺らだってその趣味の犠牲になるんだ」 「……そうかもな」 『いつか』が来る前に僕の疑問は晴れるのだろうか? しかし… その『いつか』はすぐに訪れた。 皮肉にも今回は僕と友人の2人が選ばれ、処刑台に運ばれた。 「どうやら今日は切断のみで殺るみたいだな」 側にある大きな刃物を目にして友人はそう言った。 その刃(やいば)は彼女の手により何度も僕に振り下ろされた。 徐々に薄れていく意識の中、何か冷たいものが体に触れた。 「あっ…」 隣で友人が小さく声をあげた。 見上げると刃を振るう彼女の瞳から涙の雫(しずく)が頬を伝って落ちてきた。 ぽたっ 雫は僕の体に当たり飛び散った。 「な、そうだろ?」 それは声にならず僕の意識は途絶えた。  
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