Ｇi･ＪiＮ3 ～Fake Rain～

　
ザクザク…

ザクザク…

「うぅ…」

「あら、リカちゃんどうしたの？」

振り向いたリカちゃんは真っ赤な瞳から涙を流していた。

「やっぱりリカ苦手だよぅ…」

「それはそのまま切っちゃダメよ。水の中で切ったり、チンしてから切ったりするの」

「そんなに簡単なんだ。リカはローソク作戦やったことあるよ」

「ローソク？そんな変なのママ初耳よ」

２人は「あはは」と笑った。

リカちゃんの瞳から流れ落ちた涙の雫は、まな板の上の玉ねぎに当たってはじけた。

Ｇi･ＪiＮ3 ～Fake Rain～

[擬人３ ～偽りの涙～]

【ＥＮＤ】

ぎじん【擬人】
人間でないものを人間に見立てて扱うこと。