第1章 10月

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「あれ?」 ゆっくり右側へ曲がる坂を上るうちに、左側に変な家があるのに気が付いた。 そこには地中海で見るような白壁の二階建ての建物があった。 屋根がなく、屋上がまっ平らな建物。 真ん中に入り口のドアがあり、左右は同じ様に濃い茶色の木枠にガラスが4つずつはめられた四角の窓。 壁が厚いのか窓辺が幅広で、そこに鉢植えが置かれているのが見える。 窓の上には白い布製の日除けが出ている。 その日除けの下に珈琲カップの絵が描かれた40cm四方の木の看板が出ていた。 カフェかぁ。 日除けの上の、細身だけど真ん中が膨らんだ素敵な斜体で書かれた看板を読んだ。 「カフェ見晴らし台……」 そう書かれていた。
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