第1章 10月

32/73
前へ
/760ページ
次へ
……ドン。 「ん?」 ドンドン! 「んん?」 「姉貴!めし!早く降りて来ないと俺が姉貴の分も食っちまうぞ!」 「はあ~い」 幸多も帰って来ている時間らしい。 私はまだ寝ぼけた頭を左右に揺らしながら、ベッドから降りた。 確かにカーテンを引いていない窓の外は真っ暗だった。 いくつか点々と光が見える。 普通なら飛び込んでくる幸多も、部屋の明かりが付いていなかったから遠慮したらしい。 ジャッとカーテンを引くと、私は下に降りた。
/760ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1270人が本棚に入れています
本棚に追加