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「幸多~お帰り~」
私はあくびを押さえながらリビングに入った。
「あ、うん」
既に食卓では、3人とも食べ始めていた。
「あれ?上にぎり?」
「そうよ~、大奮発」
「何で?」
「あなたの解雇祝い」
「わお、うれしいね~」
私は割箸をパキンと割った。
「ちょっと待て」
「なに?幸多」
「今のカイコ祝いの『カイコ』って何?」
「ああ、会社をクビになったの」
「ちょっと、待てえぇえ!!」
「ん?」
「姉貴、会社をクビになったのか?」
「だから、そう言ってるじゃない」
私はまずは右端の玉子から口に入れた。
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