第1章 10月

35/73
前へ
/760ページ
次へ
「幸多!お茶はあ?お茶はいらないのお~?」 と言う母の言葉も届かなかったみたい。 「ご馳走さま。じゃあ、お風呂に入るね」 私がお風呂の方に歩いていくと、玄関のドアがいきなり開いて、 「誰か追いかけて来いよ!」 と、幸多が叫んだ。 「私、先にお風呂入るね」 そう言ったら幸多は、泣きそうというか何とも言えない複雑な顔して、バッタン!とドアを閉めて飛び出していった。 遠くから何か聞こえる。 「何か叫んでる?ま、いっか」 そして私はお風呂に入った。
/760ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1270人が本棚に入れています
本棚に追加