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私は駅の方へ歩きはじめた。
見上げると、秋の高い空だった。
やっぱりさっき感じた様な穏やかな風だった。
民家の塀の上で黒猫がひなたぼっこをしていた。
私をチラリと見たが特に逃げるでもなく、そこにいた。
私がその前で立ち止まると「なんだ?」という風に顔を上げた。
私はしばし、彼?(多分…そっち希望)と見つめ合った。
目を逸らした方が負け。
10秒もしないうちに、彼はちょっと目を逸らして、戸惑いながら、塀の向こう側に降りていった。
「うぷぷぷ、ごめんね~」
私は口を押さえて笑いながら、また歩き始めた。
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