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帰りの車の中では、サイドウィンドウの夜景を見ながら、また平井優子さんのアルバムを聴いていた。
行きで1枚、往復で2枚。
「マスター」
「はい?」
「彼女のアルバムは全部で何枚あるんですか?」
「11枚ですね」
「そっか」
私は少し呟く様に言った。
そして、
「全部聴きたいです」
そう言ってマスターを見た。
マスターがチラッと私を見た。
そして、
「じゃあ、またナイトクルージングで」
と言った。
「はい」
私は腕を伸ばしてストレッチみたいにすると、またサイドウィンドウの夜景に視線を向けた。
マスターは家まで送ってくれた。
別れ際は、店と同じく、ただ自然だった。
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