第1章 10月

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家路の途中立ち止まると、秋の雲一つない高い空を見上げた。 そうでもないのに眩しさを感じて、目の上に手をかざした。 青い中を白い点が列をなして横切っていく。 視線は無意識にそれを追う。 見えなくなると、深呼吸。 大きく息を吐き出した。 腕時計を見ると、まだ15時前だった。 帰るにはちょっと早い…… もう少し先に行けば公園がある。 そして、バッグの中にはデジタルオーディオプレーヤーと文庫本が入っている。 急ぐ理由はない。 私はいつもよりのんびりと歩き始めた。
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