孤独な魂、温もり求め。

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やっと抱っこという名の公開処刑から解放されたのは、綺麗な水の流れる小さな川に着いてからだった。 川原にはちょうど人が座るには良い感じの岩があり、そこに降ろされた。 斎藤さんは川で汲んだ水と、常備していたらしい応急処置セットで私の足の怪我を手当てしてくれる。 「ありがとう…ございます」 とりあえずお礼を言うと、小さく頷いた。…この反応の薄さ、何とかならないかな? 多少慣れたとはいえ、長時間の沈黙はやっぱりキツイ。 何か話してくれ…。 一人悶々と耐えていたが、願いが届いたのか斎藤さんは話し出した。 「柊…お前は悪くない」 ………どうしよう。意味が解らない。 「確かに…人が人を助けるのに理由などいらん。お前は正しい」 あぁ。さっきの話か!斎藤さんの中では続いてたんだね。 「局長もそう言っていた」 「近藤さんが?」 「あぁ」 急に出た意外な名前に驚いた。だってそうでしょう? 今は幕末で、戦争の真っ只中にいる組織の頭の言葉とは思えない!? ……近藤さんの人柄は多少知ったけど、やっぱり『人斬り集団』の頭と思ってたからなぁ。まさか人助けまでするとは…。
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