孤独な魂、温もり求め。

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「近藤さんは…優しい人だ」 訝しげる私に斎藤さんは少しムッとして抗議きた。 だがまだ私は納得出来ない。「はぁ」と生返事を返す。 「信じられんか?」 「疑う…というよりはピンと来ない。もしくは納得出来ない…かな?」 「……そうか」 「はい」 「あれは数年前の寒い冬の日のことだ」 「は?」 「俺は修行のため滝に打たれていた」 「待って?斎藤さん待って?何事?」 「余りの寒さに俺は風邪を引いてしまった…情けないことだ」 「斎藤さ~ん?聞こえてますか~?」 「ずぶ濡れで高熱を出し、流石にもう駄目かと思った」 「聞いてねぇし。…てか真冬に滝修行とか馬鹿丸出…」 「左之に聞いた女子を黙らせる方法その2…」 「高熱が出たんですね、はい。そしてどうなりました?」 「…………途方に暮れていたところ、たまたま通りかかった局長に助けられたのだ」 「命の恩人なんですね。ねぇ斎藤さん…」 「まだ続きがある」 「はい、でも…」 「いいからまず聞け」 「……はぁ」 斎藤さんはひとつ咳払いし、相変わらずな無表情を引き締め、再び話し出した。
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