孤独な魂、温もり求め。

19/21
前へ
/709ページ
次へ
「斎藤さん、重大な報告があります」 「なんだ?」 「斎藤さんは匿名で毎日お肉を届けてたんですよね?そして手紙で断られた、と」 「あぁ」 「ちなみに近藤家ではお肉を食べる習慣があったんですか?」 確か昔の人って、牛や馬の肉なんか食べなかったはず。猟師とかは猪やキジ食べてたらしいけど…。 「………知らん」 「……知らんて…。まぁ、つまり私が言いたいのはですね、近藤さん…迷惑だったんじゃないんですか?」 「…何故だ?」 「だって、近藤家からしたら毎日玄関先に知らない人から動物の死体置いていかれてた訳でしょう?」 「……死体」 「たぶん…恩じゃなくて仇になってますね」 「…………」 あ、落ち込んだ。 「……えと、まぁ過ぎた事ですし、近藤さんの優しさはよく伝わりまし……斎藤さん?」 「俺は…なんて事を…」 「うん。なんだ、まず落ち着こう?そして刀をしまおう?てか抜刀して何する気!?」 「かくなる上はこの首を持って謝罪を…」 「駄目だから!?何言ってんの!?」 「斬り落としたら、近藤さんへ届け…」 「届けるかぁっ!?」 「……柊」 「何っ!?」 「あまり非常識な事を言うな…」 「あんたにだけは言われたくないわぁっ!?」 放った回し蹴りは綺麗に斎藤さんの側頭部にめり込みました。
/709ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4949人が本棚に入れています
本棚に追加