黒を這う手、掴むモノ。

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チャンチャンドンドン チャンチャンドンドン キャハハハ… 音楽と甲高い女の笑い声。 男達の喧騒に酒。 けばけばしい色彩に彩られた建造物。 ここは遊郭。 欲と金と業の町。 その一室で、女は困り果てていた。 「…堪忍」 「よいではないか?な?…いやしかし本当に美しい」 美しく着飾った遊女。 何とかモノにしようと口説き続ける男。 それを見守る私。 はい。 只今遊郭に潜入捜査中であります。 事の始まりは、数日前の襲撃事件に遡る。
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