黒を這う手、掴むモノ。

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「足の傷からして刃物だとは思ってましたけど…こんなもん投げつけられたんだ。そりゃ血も出ますよねぇ」 「………」 「しかしクナイって、斎藤さん忍者にでも狙われてるんですか?」 「………」 「……まさか、山崎さんに恨みでもかいました?」 「何言うてはんの!俺は無実やで!?」 うぉっ!? 突如湧いてきた第3の声は、床下から聞こえてきた。 …山崎さん、今日は床下かぁ。本当に神出鬼没だな。 「ど、どぅも。てか山崎さん盗み聞き?」 「いや?俺は初めから斎藤はんと話しとったんよ?」 …………。 「ちなみに話題はそのクナイについてや」 「何で山崎さんが…?あ、謝罪ですか?」 「たった今無実訴えたの、覚えてはる?」 「そんな事もありましたね。で?クナイの何を話してたんですか?」 私のもっともな質問に答えてくれたのは、先程から沈黙していた斎藤さん。 チラリと私に視線を向け、ややためらいがちに口を開く。 ん?
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