黒を這う手、掴むモノ。

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「人違いデス」 とりあえず精一杯の笑顔で言ってみる。 「信じると思う?」 余裕の笑顔で返されたし…。 「人違いデス」 「…言いたくない、てことかな?なら僕にも考えがあるよ?」 うあ、悪役台詞。でもここで近藤さん達が不利になるような事は言えない。 私を助けてくれた皆を裏切るような真似は出来ないし、したくない。 脅しには屈しない。 その意思表示を込めて、私は必死に碧を睨み付けた。 私の視線が怖かったのか、碧は急におどおどして逃げ出す…なんて事にでもなってくれりゃあ話が楽で良いんだけどね。 真逆だったみたい。むっちゃ笑顔。 …こっちが怖いわ。 「はは、生意気ってよく言われるだろ?嫌いじゃないけどね」 碧は笑顔で手を私に伸ばしてきた… 恐怖心からギュッと目を瞑り、 むにっ… ん? ちゅう―――――――――… んん? 目を開けるとドアップに碧の顔。 あれ?私今、キスされてる? …………………ぇええええええええええ!? ッガン!!!! 「ぐがばっ!?」 「なななななな何すんひゃぁぁぁぁっ!?」 あ、かんだ。
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