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「教授。どうしました?」
宗が、屋敷に入らず、玄関の前に立つ薬嗣に、声を掛けた。
「なんか、賑やかな声がする?」
薬嗣に言われ、宗も屋敷の中の気配を探ると、人の気配を感じ取る。……一人、二人の気配じゃない!!
🚪ガラッ‼
「あー?何だ。おーいっ!先生のお帰りだぞーみんなー!……ヒックッ!!」
「肉屋っ?!お前、人の家で何やってるんだっ?!……酒臭っ!!」
「ああー?なんですか?呑んでちゃダメですかあ。何だよー?薬嗣、素面じゃねえか?久々に、同期で呑もうぜー………!!」
肉屋は急に黙り込む。薬嗣が、後ろを振り替えると………。
「今晩は。肉屋のご主人……?」
そこには、顔は素晴らしい笑顔を保っているが、目が、その視線だけで、肉屋を殺せる迫力を持っていた。
「こ、こん、ば……んわ……。!!そうだっ!あの、これっ!火月様が、法樹さんが来たら渡せとっ!!」
肉屋は、手紙を渡すと足早に屋敷の中に戻って行った。
「何だよー肉屋ー?俺も呑むぞー?」
薬嗣は肉屋を追い掛ける様にして、屋敷の中に入って行く。
「火月様?何故、肉屋が火月様を知って……?」
宗が、手紙を開封し、手紙を読む。
『夕方、商店街の奴らから沢山の食材を貰った。その礼に、私の手料理でもてなす事になってな。……………追い出してみろ。お前と薬嗣の仲、死ぬまで邪魔してやるからな。』
……死ぬまで?宗が、足元を見た。ワシ、見参!
「老師……。」
……死ぬまでと言う事は。
∧ ∧
( ̄∞ ̄)じぃ~。
……老師は、不老不死。
∧ ∧
(◎∞◎)じぃ~。
……死ぬ事は無い。と、言う事は……。
∧ ∧
( ̄ー ̄)ニヤリ✨
……絶対に結ばれる事は無いっっっ!!
「ようやく、気がついたか?」
ワシが暖かい言葉を掛けると、宗は、がっくりと膝をついた。
「ワシの恐ろしさは、お前が良く知っているじゃろ?昼間の礼じゃっ!」
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