月のある深い夜

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     「落ち着けっ!月人っ!」      私は月人を落ち着かせる様、鉄拳を避けながら話し掛ける。何せ、月人は私が武道を教えただけあって、その辺りの仕事を良くサボり、自分の神獣に説教されてる、帝よりも体術は上だ。      「月人っ!…………?!」       私が月人の腕を掴むと、月人が、泣いているのに気がついた。       「………桜……白くなったのに……!何で……戻って来てくれかったんですか……。」         ………!!あれの事か!私が炎さんに頼まれて、人間界に降りた時、暫らく留まる事になり、白狸村の桜を月人に送った。蛇神の血で、真紅に染まった桜が、浄化され白に戻った時、月人の元に帰ると言葉を添えて。       「………。俺が悪いな。月人。済まない。」         「そうデスよっ!悪いのは火月様デスっ!だから、火月様は月人の言う事、聞くのデスっ!」         ………ン?ちょっと待て。何かおかしくないか?        「お前。……嘘泣きだろう。」        (◎∨◎)💧💧        ははーん。さては。       「そう言えば、お前。ゆきの夢に現われたって?……二回程。」        🎵~(¬ε¬💧)         「なるほどな。珍しく、食って掛かって来たと思ったら……。月人……?こっちを向け。」         「だって、千雪の事心配だったんデスよっ!!でも、火月様に、夢をむやみに渡るなって言われてたし、ばれたら、絶対に怒られると思ったし、だから、先に怒ったら話しを誤魔化せるかなあって思って……えへっ?」         ぷちっ。……この、         「馬鹿タレがっ!!!」                                            そこから、私の説教は朝迄及ぶ。さすがの月人も、最後には動かなくなっていた。私を誤魔化そうなんて、百億年早いっ。
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