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初夏の草原で白や黒の羊たちが美しい青年に見守られて草を食べていました。
やがて日は暮れ、野原が何百という星の瞬く下で、羊飼いの青年は寝入ってしまいました。
それは羊に害する物も、青年の心を乱す物も何一つとしてない、のどかな風景でした。
ちょうどその時、天空にかかった白銀の月…。月の女神はその眠った羊飼いの青年に目をとめました。その青年はエンデミオンという名前でした。
月の女神はそのエンデミオンに一目惚れしてしまいました。
月の女神はそっと大地に降り立って、この世のものとは思えないほど整った姿のエンデミオンの側に座って髪をなでました。
エンデミオンは羊を追っている夢を見ているようでした。
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