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王は女神をからかうように、こう言い返しました。
「月の女神よ、貴女の愛するのは、あそこにいる若く、美しい姿のままの青年であろう?だが、死すべき人間の命は短くて、あっという間に醜い老年が、あの青年をとらえるのだという事をお忘れかな?女神の愛する者の手足がふしくれだち、白髪で、シワの寄った、腰のなえた老人であってイイものか。
いや、女神の恋人はいつもしなやかな鹿のように手足のすんなり伸びた若人でなくてはならない。
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