いち。佐倉茉亜理というひと

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「ぷはぁ…生き返る~!!」 見た目に似合わない親父くさい声をだして、アメリカはグラスを机に置いた。私がさっき作った特製爽やかドリンクは既に空である。「全く…調子良いんですから、アメリカさんは」 と言いつつ、もう大分良さそうな様子のアメリカに私はひと安心して息をついた。 「ハハハ!それほどでもないぞ!」 「誉められてねぇよばかアメリカ」 イギリスも大分良くなったようだ。…口の悪いのは相も変わらないが。 …しっかし、 「回復力すごいですね、お二方とも」 いくらきちんと横になって特製爽やかドリンク(結構効果ありと定評がある)を飲んだとしても、この回復は早すぎる。 「まぁ…俺たちは人間じゃなくて国だからな。何か外的要因で一時的に体壊すことはあっても、国に何かないかぎりはすぐ治るんだ。」 へぇ…。イギリスの説明に、私は彼らが国であることを改めて実感した。 …こんなに…人間くさいのになぁ…。 「まぁ…とは言っても、今回はちょっとヤバかったからな…」 「全く…飲みすぎですよ!」 「そうだぞ!イギリスはただでさえ酒癖が悪いからな!!」 「茉亜理はともかく…アメリカは人のこと言えないだろ!元はと言えばお前が無理矢理飲ませるから悪いんだからな!!しかも人にあんだけ飲ませといて自分はすぐ寝るし!」 「う゛…そ、それは…悪かったんだぞ…」 アメリカにしては珍しく、素直にしゅんとしている。その様子に、イギリスも「ま、まぁ、分かればいいんだ、分かれば…」と動揺したような反応を見せた。 「アメリカさん…今日やけに素直ですね…」 普段だったらここでアメリカとイギリスの応酬が始まるのに…。調子でも悪いのだろうか? 「まぁ、今回は俺が悪かったしな!俺はヒーローだからな!!」 …前言撤回。やっぱりアメリカはアメリカだ。
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