1.邂逅……出遭い。

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既に洋刀の振り返しがきていた。 日本刀の払いを防ぐために右へ避けたのだが、これでは全く意味がない。 ――それにしても、近くから見ると本当に美しい双剣だ。 左手には洋剣。 流れるような刃の線、邪魔にならないよう嵌められたサファイア。 思わず、サファイアの蒼に血液の紅が流れるところを、一瞬、想起する―― 「……」 不利な状況でこんな事を考えるのは、あまりに愚かな事かもしれない。 ――そして右手。 一言で言えば、“シンプルイズベスト”で終わる、左手の洋刀よりも長い、細身の美しい日本刀。 先程、ズッ、と易々とアスファルトを貫いたことを考えると、切れ味はスパスパらしい。 飾り物にして置けばかなり映えるかもしれないが、斬る刀としての異質な光が、人を落ち着かない気分にさせそうだからやっぱだめかも――
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