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「余計な事考えてると、殺すわよ」
その言葉に、思わず笑みを浮かべる。
「ハナから殺す気なんだろうに」
「当然。抵抗を止めなさい、面倒だから」
「……、殺しを止めろよ。うっといから」
パララッ、とリズミカルに撃ち出した銃弾を上体を捻るだけで避け、斬撃のペースを不規則に変えながらも全く止めない少女。
「…………これだけ近くで撃っても牽制にすらならんとはどういう事ね……」
考えてみれば。
爺から教わった“知識”は基礎だけだった。
こんな動きに対抗できるワケがない。
「ッ……」
マズイマズイマズイ。
……最初から判っていたことではあるが、非常に不利。
あくまでも、俺の本職は“一般高校生”であり、“殺し屋”さんではない。
つまりそれは、『応用なぞ、高校に入ってからは全くやっておりませぬ』という肯定文であり、こんなヤバげな人と殺り合える状態ではない。
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