1.邂逅……出遭い。

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「安心して。温い挨拶は終わりよ、鎬釵」 「!!」 凛とした、冷ややかな、そして何より美しいソプラノの声が響く。 振り向いて見えたのは、少女。 服装は、…………全く興味にがないためによく分からないのだが、色は統一して白。 傾きつつある陽の光を浴びているため、聖者のような雰囲気を纏っている。 しかし、今の彼女を形容するのなら、戦死者を選ぶ女神(ヴァルキュリア)と称すのが最も正しい解答になるだろう。 左手に剣、右手に刀という殺人具を携えた少女こそ、強かな戦乙女(ヴァルキュリア)と呼ぶに相応しい。 気付けば俺は、じりじりと後ろへ下がっていた。 確かに、恐れを持って。 確かな、畏れを抱いて。 不確かな根拠で、しかし確実に、俺は名も知らない彼女を恐怖の対象として見なしていた。
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