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「そこの貴方、私のお花畑で何をしているの?」
目を閉じたままの"人間"にどこからともなく"声"がかかる。
"声"は女性のモノであり、誰が声をかけたのかは容易に想像がつく。
「いえ、特に何かをやっているワケではありません。
お邪魔でしたか?」
「別に、貴方が何もしなければ何もしないわ。
でも、"花"を折ったら"鼻"を折るわ」
再び体を起こし、そのまま立ち上がりながら言った"人間"に爽やかな笑顔を浮かべながらえらく物騒な例を使ってそう言う"少女"。
「そうですか。
あ、お前の名前は?」
「おま…初対面にしては偉そうね。
まあいいわ、私の名前は風見幽香。
この"太陽の畑"の管理人よ」
あくまで真剣におかしな言葉遣いをしながら言った"人間"に少し呆れたような表情でそう返す"少女"――幽香。
「初対面、ソレもそうですね。
俺は鋼山天理、しがない商家の息子です」
「そう、天理ね。
ところで、何故ここにいるの?」
何故か苦笑い気味な"人間"――天理の微笑みに幽香が"疑問"を抱く。
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