落符「これも一つのエピローグ」

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「んー…、強いて言うなら"落ちた"から。  理由は特にありません」 "落ちた"というワードを使い、苦笑いをよりそれらしいモノへと変えてそう言う天理。 「"落ちた"……?  それは…"どこから"?」 「それは言えません。  しかし一つだけ言えるのはここではない"別の場所から"、ということだけです」 "落ちてきた"というワードに疑問を感じたのか、不思議そうな表情を浮かべながら言った幽香に苦笑いを収め、真剣な表情でそう返す天理。 しかし"別の場所"というワードが発せられた瞬間、幽香の表情が露骨に嫌そうなモノへと変わり、心当たりがあるような雰囲気を漂わせる。 「"別の場所"……ねぇ。  まさかとは思うけど、"外の世界"?」 「"外の世界"?  なんですか、それ?」 "外の世界"というワードを使い、片手で自分の頭を押さえながら言った幽香に"何故か"懐かしそうな表情を浮かべてそう返す天理。
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