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「そのセ…そういうこと。
ここの名前は"幻想郷"。
"博麗大結界"によって均衡を保っている"常識"が"非常識"になり、たくさんの"異能"たちが住む"世界"よ」
懐かしそうに微笑み続ける天理にほんの一瞬だけ微笑みかけ、何かを仕切り直すようにそう言う幽香。
「"異能"………ですか。
じゃあ俺は"適応"できますね」
「"適応"って……!?」
ニコニコと笑いながら気楽そうに言った天理に"疑問"を隠そうともしない表情を浮かべながらそう言おうとする幽香。
しかしその弁は打ち切られ、驚愕の意を示す視線がある一点に注がれる。
天理の"右後ろ"に注がれる視線の先にあるのは数枚の"羽"。
空中を優雅に漂う"羽"は自然界には存在するはずのない鈍い"鋼色"の輝きを放ち、不思議な"魅力"をもつ。
そしてその発生源である"翼"を携える"天使"。
"鋼色"をした骸骨の体を日に晒し、まるで鉄鋼像のように静かに佇む。
「"こいつ"が俺の半身、"メタルエンゼル"です。
以後、お見知り置きを」
「"それ"が?
"それが力だ"と、そう言うの?」
自分の背後に浮かぶ"鋼の天使"に視線を向けながら言った天理に"信じられない"、とでも言いたげな目線をぶつけながらそう言う幽香。
確かに骸骨の体をもつ"鋼の天使"は世辞を言うにもあまりにも貧弱そうに見える。
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