プロローグ

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… …… ……… またもや、俺は白い光に包まれてしまった…。 そして、今度は金髪の美しい美女が、俺の目の前に立っていた。こんなに美しい人は見たことがない…。 しかも、その美しさには、アイオーンにはなかった『優しさ』が感じられた。 「これ、若者よ。何を泣いているのです?」 「………」 俺はこの状況に、またしても立ち尽くしてしまった。そんな俺に、その美女は優しく語りかける。 「我が名はヴィーナス、愛と美を司る者」 「ヴィーナスだって?あのギリシア神話の!?…それじゃ、君も女神様なのかい?」 「そうです。あなたが唱えた、私を呼ぶ呪文。『ミ・カーチャ・ンドコ・イッチャッタンダオー』によって、ここへ来たのです。」 「………………………」 俺は呆れて声が出なかった。 「どうしたんです?黙り込んで」ヴィーナスは不思議そうに俺の顔をのぞきこむ。 「あ、あんた達ねえ…」 「はい?」 「何気なく口にした言葉で女神様がポンポン召喚されるなんて、そんなむちゃくちゃなストーリー聞いたこともないぞ」 「何が無茶なものですか!年端の行かない子供がいきなり勇者になって、世界を救ってしまうお話より、ずーっとマトモです!!」 「…そりゃまあ、そうかも知れないけど…」 …なんか今、うまく丸め込まれた気がする…。 「まあ、それはいいとして女神様、素直に割り切るからちょっと聞いてもらえないかな?」 「どうしたというのです?」 「俺の恋人、美加ちゃんがアイオーンとかいう女神様に連れて行かれてしまったんだ」 「アイオーン!…確かにそう言いましたか?」 「ああ。『時の女神』とも言ってたな。知り合いなのかい?」 「知り合いといえば知り合いですが、知り合いたくもなかった知り合いね」 ヴィーナスの言葉には少しトゲがあるように感じた。 「いいでしょう。この愛と美の女神、ヴィーナスがあなたに手を貸します。こちらへいらっしゃい」image=345038210.jpg
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