逝く道と二人の影

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「おまっ、バカにしてんのか!?呪いだかなんだかが使えるからって、調子に乗ってんだろ」 「バ、バカになんてしてないですよぉ。ちょっとからかってみただけですぅ。ずっと無言なんて、わたしは苦手なんですぅっ!!」 「はぁ……」 俺は無言より、お前のほうが苦手だ。そう言いかけたが、やはり俺も気まずいままでこの旅路を逝くのもあれだと思い、言うのを止めた。すでに微妙な感じだが。 「じゃあなんか話せば良いのか?」 「は、はい!!話します!!わたしが話すですっ!!」 なんでお前が話すんだ?それなら最初からそうやっとけば良いものを。別に俺は話を聞くのは嫌いじゃないのだが。 「えと……幽妃さんは凄い美人さんなんですよ?」 しかも自分のことじゃないのか。まったくもって意味が分からん。だが、淋子が話す幽妃のことは少し気になる。俺は大人しく聞くことにした。
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