夜の部屋と鎌の少女

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ところが淋子は足を突っ張り、踏み止まる。どうやら帰りたくないらしい。 「だ、だめですぅ。あなたをちゃんと連れていかないと幽妃さんに怒られちゃうんですよぉ~」 必死に抵抗する淋子。その口からは新たな人物の名前も出てきた。 「誰だその幽妃さんって?」 そう聞きながらも俺は押すのを止めない。淋子も抵抗するのを止めない。正直疲れてきた。 「わたしのボスです、閻魔様なんですよぉ。怒ったら怖いんですよぉ」 「その幽妃さんが俺に何の用なんだ?」 「どうやら幽妃さんがあなたに一目惚れしちゃったらしいんですぅ」 「はあ!?」 淋子の答を聞いた瞬間、俺の体の筋肉という筋肉から力が抜け去った。その途端に力を加え続けた淋子の体が後ろに倒れ込んだきた。
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