286人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は目を疑った。耳ではなく目だ。なんせ、目の前に出された書類の一番上には
『婚姻届』
そう書かれているから。しかもご丁寧なことに、幽妃の名前等はきちんと記入され、印まで押されている。
「あー、こういうのが冥界でのプロポーズなのか?」
「プロポーズ?」
「いや……それ、婚姻届だからさ?」
「……え?」
幽妃は手元の婚姻届を見、俺の顔を見、そしてまた婚姻届を見て、そのまま動かなくなった。
「…………………………ゥュュッ!!」
また奇声。正直、見てるだけでおもしろい。幽妃は再び慌てだし、また引き出しの中を漁り始めた。
最初のコメントを投稿しよう!