両刀使いの死神と恋は盲目な閻魔

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「『申請書』……死神って申請するだけでなれんのか?」 「もちろん条件もあるわ。二つね」 「条件?」 「一つは現世で寿命を全うしなかったこと。現世の人間は全て、いつまで生きるかが決められてるの。自殺や病気、事故死も全部含めてね。追い追い話すけど、転生、つまり甦りは寿命を全うしないとできない決まりなの」 「全うしなかったってのは?」 「死神に魂を連れていかれた場合、寿命を全うしたことにはならないの。今のあなたの状態のこと」 「てことは、俺は転生はできないってことか」 「そう、なるわね……ごめんなさい」 淋子の言うとおりだった。本当にあっちには戻ることができないみたいだ。だが、それを知ったから何かが変わるわけでもない。こうなった以上、諦めるしかないか。 「……分かった。二つ目の条件を教えてくれ」
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