286人が本棚に入れています
本棚に追加
「良いの?」
「ああ。なんか吹っ切れた」
「そう……じゃあ二つ目。二つ目は呪力を持っていること」
「え?」
かなり無理なところ来た? 俺ノーマルだぞ?
「呪力なんて持ってないぞ?」
「ううん大丈夫。あなたに呪力があるのは分かってるから」
「マジで?」
「淋子があなたの部屋に行った時、淋子の姿は見えていたでしょ? 私達の姿は普通、現世の人間には見えないのだけれど、呪力を持ってる人間は例外。私達の姿が見える」
なんてことだ。まさか自分が、そんな素質を持っていたとは。だけど現世では全く役に立たなかっただろうな。
「それに、閻魔の鏡を通しても確認できるから、あなたを見つけた時に分かってたわ。もし、あなたに呪力が無かったら連れてこなかったと思う」
「規則?」
「そう。呪力の無い人間を、死神を使役して冥界に連れてきてはならない、という規則があるから」
運命のいたずらか。幽妃が一目惚れしたのが俺で、俺は呪力を持っていた。だからここに来た。考えてみれば、凄い確率なんだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!