両刀使いの死神と恋は盲目な閻魔

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「……准……旬……淳……どれもイマイチだな」 「筍なんてどう?」 「なんでタケノコなんだ、そこで。冗談だろ」 「ダメかな?」 どうやら冗談じゃないらしい。首を傾げる動作には、なかなかグッとクるものがあるが、さすがにタケノコの名を背負って、これから生活していくのもあんまりだ。 と、俺の目が一つの文字を捉えた。 「これが……良いかな」 「どれ?」 幽妃も向かい側から覗き込む。 「閏……定数からはみ出る。不正規なものの意を含む。現世なら、イレギュラーな存在の俺にぴったりだな」 「それにする?」 「良いな。これに決めた」 俺は迷わず答え、申請書の欄にしっかりと『神島閏』、そう書き込んだ。
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