夜の部屋と鎌の少女

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何故だ何故だ考えろ俺。俺は一度も幽妃なんぞという人物と会ったことは無いぞ?だがなんで一目惚れられている?淋子の作り話にしても、さっぱり意味が分からない。だがまずは、腹の上の淋子を退けるのが先だろう。 「分かった。話だけは聞いてやるから、まずはそこを退け」 「はいぃ。すいませんですぅ」 慌てたように腹の上から降りる淋子。床にちょこんと正座する。そして大鎌を体の右側に置いた。俺も向かい合うように床に座る。 「1兆歩譲ってあんたが……なんだ……死神?だと認めよう。それであんたは俺をどうしたいんだ?」 「さっきも言ったように、幽妃さんのところにあなたを連れていくのがわたしのお仕事なんですよぉ」 さっきと同じ言葉。だが、落ち着いた状態で聞くと、何故か嫌な予感がする。背中に冷や汗もかきはじめた。
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