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「んで? これからどうするんだ? 買い物もだいたい終わったし」
「そうね……」
顎に人差し指を当て考える幽妃。と、シオが何か言いたそうに、幽妃の服をくいくいっと引っ張る。
「ん? どうしたの?」
「いちほ。かいてんやき」
「あぁ、そっか。最近行ってなかったものね」
「なんだ? 『いちほ』って」
「一に稲穂の穂で『一穂』。シオが大好きな回転焼きのお店。ここからすぐ近くにあるんだけど、行ってみる?」
「シオが行きたいって言うなら、行っても良いと思うぞ。俺も食べてみたいし」
その言葉を聞き、シオの顔が少し嬉しそうになる。それはそうと、シオは役場にいた時も回転焼きを食べていなかったか? かなりの量だったみたいだが。
「シオ、まだ食べて大丈夫なのか?」
「かいてんやき、すごい。ちょうしんぴ」
「そ、そうか」
答えにはなってないが、まあ食べれるってことだろう。にしても、両手をグッと握り、今の言葉を言ってた時のシオの表情は、なんとも……あれだ。抜群の破壊力だ。想像にお任せする。
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