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「邪道よ。それはさすがにないわ」
「じゃどう。ジュン、しぬ?」
「アハハハ」
「はいぃっ!?」
じゃ、邪道ですと!? しかもシオには「しぬ?」とまで言われた!?
「ちょい待て。なんでカスタード選んだだけでそこまで言われなきゃなんねーんだよ」
「カスタードの回転焼きなんて認められるわけないじゃない。いうなら、コカコーラに対するペプシみたいなものよ」
「かいてんやき、いこーる、くろあん。じょうしき。のっといこーる、カスタード。じょうしき」
「だったら俺だけじゃなくて、カスタード売ってるおっさんも同罪だろうが」
「いやぁ、この店は俺も継いだわけでさ。前の店主がカスタード売ってたから、そんままってわけさ。さすがに先代の意思は尊重すべきだろな。ハハハ!!」
なんということだ。さすがに回転焼きのことだけでここまで怒られるとは予想もしていなかった。と、おっさんが身を乗り出して、俺の耳元で小声で言う。
「まあ、この二人と一緒にいる時は、最低でもカスタードだけは頼んじゃいけないぞ? 他ん時なら俺は良いからな」
「おっさん……」
やっぱり良い人だ。
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