魂達の街と死神達の家

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ごそごそと紙袋から回転焼きを一つ取り出した。出来立てなのでもちろん熱い。俺はそれをほうばる。 「ッ!? うまっ!! 何だこれ!?」 今までで一番美味い回転焼きだった。生地の外側のちょっと固めな感じと、内側のフワフワ感が絶妙にマッチしている。加えて、アツアツのちょっと甘めの餡がまたたまらない。最高だ。 「こ……この回転焼きを作ったのは誰だぁ!?」 「閏……そのネタ、分かる人少ないと思うわよ」 「いや、ただ言いたかっただけだ」 「そう」 「にしても、美味いなこれ」 「あふぁりまえ。いちほ、ふごい」 シオも回転焼きを口いっぱいにほうばりながら同意する。シオがあの店を気に入っている理由がよく分かった。カスタードを買わなくて正解だった。今度は買うと思うが。
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