1ラブラブオーラははた迷惑

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「話がまとまったところで、これが詳しい資料ね。結構ご近所だから、さくさく済ませて楽しい週末。あがりは来週でいいからね」 「わかりました」 「京ちゃん、京ちゃん。ここ、僕の学校で有名だよ」  資料に添付されていた地図を見ていた楓が言う。 「肝試しするんだって」 「楓君は行ってないよな?」  つい、声を荒げてしまうのは、それがいかに危険かを身をもって知っているからである。 「まさか・・・そんなの見飽きてるし。第一、僕はそんなに子供じゃありません」  つーん。 ファイルを抱えたまま、京一郎に背を向けて歩き出す。 藤堂は、その顔がとても楽しそうな笑顔であることに気がつき、そしてデジャブを覚えた。 「待って、待ってくれよ。楓君」  あわてて後を追いかける京一郎をほほえましく見送ったとき、その根源に思い当たった。 「光香さま、まんまじゃん。見たことあると思ったら・・・」  今をさかのぼること十九年前。 今と全く同じ光景を見たことを思い出したのだ。 藤堂は、なんだか複雑な表情でぼさぼさの頭をかいて少し笑った。 「おじさん、一瞬自分が若返ったような気がしちゃったよ」
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