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「っ待って!!待っ…てぇ…」
無情にも全てのゴミ袋を回収し終えたと思ったゴミ収集車は、寸前の所で走り去ってしまった。
ついてない、そう思いながら再びゴミ袋を抱えてノロノロと自分の部屋へと戻った。
朝から無駄な体力を使ったと思った。
もう間に合わないものだと思って諦めれば良かった、と起きた後の出来事を大学に向かいながら未だに考えていた。
「あいたっ!」
突然後ろから頭を叩かれた。
しかも、その相手は自転車に乗っての攻撃だったから、スピードもプラスされて余計に痛かった。
「…朝からバイオレンス過ぎるでしょうよ」
「いや、なんか朝からシケたツラしてたからつい」
「後ろから来たんだから顔見えてないだろ!わざとらしい理由を付けんな!」
「じゃあ叩きたかったから」
「ストレートすぎるぅぅ!!」
じゃあどうすればいいんだよ、と自転車を降りながら言った彼女は、同じ地元の高校から同じ大学に来た菊池佳代子。
学部も学科も一緒で、いわゆる親友(と言いたくないけど)であった。
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