返報

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ジャックは一人で自室の洗面所の鏡の前で数個のマガジンをホルダーに詰め込んでいた… 洗面台の上には散らばった薬莢と滑り止めのテープや煙草の吸殻が置かれている… 彼は鏡で自分の姿を見た… 肩にはアサルトライフル…腰にはハンドガン、胸にはRG34手榴弾といった出で立ちだ。 続いて彼はハンドガンを手にすると左手で銃身を後ろにスライディングさせてコッキングをした… 目には怒りとも呼べるものが漂っている… そして眼を閉じて大きく深呼吸をすると、ゆっくりと吐いた… 「…あいつらには迷惑をかけられないからな…」 独り言の様にそう呟くと銃口を鏡に写っている自分に向けた。 …無謀な事は百も承知だ…だが…今の俺にはこの方法しか見つからないんだ… きっと皆は俺の事を馬鹿呼ばわりするだろうな… …阿保かお前ぇは!…ってな… そう思うと思わず鼻で笑ってしまった。 自分に対する冷笑てやつだ。 しかし、今更止める訳にはいかない… あいつらの仕返しをたっぷりとしてやらなければならない…あの腐れゾンビ野郎共に… 恐らく、今回のこれでもう皆と会う事は出来ないだろうな… だが後悔をするつもりはない… あいつを殺して自分も死ねば、死んで行ったあいつらに詫びを入れる事になる筈だ… そう考えると心が幾分か楽になった… ジャックは構えてた銃を下ろし決意をあらたにすると、車のキーを手にしてチャラチャラと指で回しながら部屋を後にした… 洗面台の上に一枚の紙切れを残して…
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