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「…そういえば、こうやって急いで来たのはいいが…お前ら、武器とかの用意をしてねぇんじゃねぇか?」
しばらくした後、ふと思い出したようにアレックスがそう話し出した。
「あっ!そういえばそうだった……カルロス、武器は?」
「いつも通り、このハンドガン一丁だけだが…」
右手に持ちながら俺はそう答えた。
「お前は?」
「……」
「…無いのか?」
「いや…あるにはあるんだけど…」
ははっと笑うと腰から銃を二丁取り出した…
そしてマガジンを取り出して俺に見せた。
…からっぽだ…
「…昨日のあれで弾が切れちゃって…」
「…おい…」
「…弾ある?」
「俺の分だけなら…」
「……」
「……」
一瞬の間があく…
「…よこしなさい!」
「アホかっ!」
そんな時、彼女の隣で女性ハンターが足元に置いてあったアタッシュケースを持ち上げて左右の留め金を外し始めた…
ガタンと片方の蓋が開く…
「…ほら、これでいいだろ」
「へ?」
ケースから出て来たのはハンドガン用のマガジンだった…
彼女はそれを手にするとエルザに差し出した。
「え…ありがとう…えと……」
「カレンよ…ついでに隣の彼はスティーブ」
エルザが礼を言おうとすると、彼女はそう名乗った…
「少し自己紹介が遅れてしまったな…まぁ、そんな時間はなかったが…」
「あ、ありがとうカレン!…えと、じゃあたし達も…
あたしはエルザ。で車を運転してる彼はアレックス。…んでこのアホは……」
「何だよその紹介!?」
「…カルロスよ」
俺の話をシカトしてエルザは元気に彼女に向かってそう紹介した。
「…へぇ、お嬢さんカレンって言うのか。いい名前だ……なぁ、これが終わったら一緒に酒でも…」
「こんな時にナンパなんかしてんじゃないわよ…」
アレックスがバックミラーでカレンを眺めてそう言ったが直ぐさまエルザにぴしゃりと言い放たれた…
「いいじゃねぇか?こうやって少しでもテンション上げとかねぇと気が滅入っちまうだろ?」
「…彼はとりあえず無視がいいわよ」
「…わ、分かった…」
「うぉいっ!?」
勢いでアレックスがそう突っ込む…
「テメどうゆう意味だよそれ!?」
「そのまんまの意味よ」
「あァ!?」
「ば、馬鹿!アレックス!前見ろ!前!」
「いっけね!」
前方を見ていない彼に対して俺は慌ててそう注意をした…
慌ててハンドルを切ったせいで車体が左右に大きく揺れる…
…こんなんで大丈夫なのか…俺ら…
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