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十数分後、車は再びあの森の前に立っていた… 昨日とまったく同じ光景だ… 「…よし、到着だ!」 車を停めるとアレックスは車内から外の様子を確かめる様に眺めてそう言った。 俺やエルザも外を覗く… 「どこらへんにいるのかしら彼…」 「さぁな、何せここは広いからな……銃声が微妙に聞こえてるって事はまだあいつは生きてるようだが…時間の問題だな」 更に片手で聞き耳を立てて音を確認してそう言った。 遠くの方から重機関銃独特の乾いた発砲音が呼玉している… …銃声の発射間隔からして、かなりの量と戦っているみたいだ… 「なら急ぎましょ!早く車を…」 「ち、ちょっと待て!この状態で行く気なのか!?」 囃し立てるエルザに向かってカレンがそう聞いた… 「どうゆう事?」 「この車だ…」 そう言って彼女は右人差し指を自分の下に指した。 確かに天井は穴だらけ… フロントガラスは無く、おまけに車体のフロント部分はゾンビ共をはねつけたせいで酷い有様だ… 今思うとよくこれであんな速度を出せたのか不思議なぐらいだ… 「…悪いが、こんなので突っ込んだら逆に殺られるのがオチだ…」 「けど、どうしろって言うのよ!? こうやっている内にも、彼は…」 「言っておくが、俺達はあのゾンビを倒したいだけであって、君等の仲間を助けるだけで死にに行くのは御免なんだよ…」 「なっ…!」 エルザが興奮気味にそう喋っていると端からスティーブが静かにそう言い返した。 それを聞いた瞬間、彼女はいきなり身を乗り上げて彼の胸元に掴み掛かった… 「…あんた…さっきとはえらい違いじゃない… 貴方が頼んだからあたし達は手伝ってやってるのよ… それを何?あたしらの仲間ごときで死にに行くのは御免だぁ? ……ふざけるのもいい加減にしなさい!!!」 「お、落ち着いてくれ!…おいスティーブ!今のは幾らなんでも言い過ぎだ!」 彼の胸倉を押さえ付けながらエルザがそう言うとカレンが慌てて仲介しようとした… しかし、既にエルザは物凄い形相で彼を睨み続けている… 「そりゃあんたは奴を倒す事が最重要だろうよ…だけど少しは協力しようと思わない訳? …あたしはね!今すぐあんたのその顔面に拳をぶち…!」 「エルザ!!」 俺は大きな声でそう一括した… 「カルロス…でも…」 「…今はそんな余裕はないだろ…」 「っ……」 「…頼む…」 躊躇している彼女に俺はそう頼んだ… しばらくの間、硬直状態が続く…
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