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「…所で、さっきから何考え込んでんだ?」 「え?…いや…」 俺の問いにジャックは口ごもらせながらそう答えた。 …先程から一言も喋っておらず、つい気になってそう聞いてみた。 「…もしかして彼女が入る事に不満なのか?」 左頬を押さえながらアレックスは横からそう言った。 ジャックは首を横に振る。 「…あの後、あの森がどうなったか知ってるか?」 「何を突然…」 「…俺達が出て行った後、あそこは軍によって即座に封鎖されたんだ…」 「ふ、封鎖!?」 「あぁ… それに、情報操作もしているようだ」 「…どうゆう事…?」 彼と同じ様にエルザも難しそうな顔でそう聞く。 「俺が知人達にその事を聞こうとしたら… 『お前には関係ない』 …の一点張りで誰も答えてくれなかった。 …お前達もこの数日間、誰もあの事について話してるのを見た事ないだろ?」 …確かに、あの出来事から今まで周りの奴からその事の話を聞いた事が無いな… こうゆう話は知らずともとも、すぐに広まるものなのだが…… 「もしかすると…軍の奴ら……」 「…あぁ…あの怪物を…」 その場にいた皆は明らかにそれが意味する事を理解し、沈黙をした… …一人を除いて… 「……な、なぁ…一体どうゆう事なんだ?」 ふと横を見ると、カレンが状況を飲み込んでいない様でそう聞いて来た… 「…そっか、カレンはまだ知らなかったよな…」 「ま、要は去年色々あったって事だよ」 「いや説明みじかっ!」 アレックスの発言に俺は即座にそうツッコむ。 「…簡潔に答えれただろ?」 「誰も簡潔に答えろって言ってないぞ」 「……あ、あの…」 「いいじゃねぇかよ。 そうだ…後でゆっくりと話しとくよ♪」 「何故そうなるお前は…」 「あのぉ…」 「ふふっ…見てろ、俺の春が今……!」 「だああっ!さっきからごちゃごちゃうるさい!!」 凄い効果音が鳴りながらアレックスの顔が横に吹き飛ぶ… 「自業自得だなアレック……ぐはっ!?」 そう言う前に、俺も彼女のジャブが入った。 「な、何を…」 「あんたもあんたよ! 少しは彼を止めなさい!」 「そんな無茶な…」 「なぁ…話の続きは…」 カレンがそう言うも誰も聞いておらず、軽く流されてしまった… …こうして、俺達は奴を倒す事が出来たのだが… この時の俺はまだ本気で思っていなかった… …これが後のあの事と繋がる事を… 第一部完
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