序章

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代わりに 人ごみが僕の視界を遮り、歩くのを邪魔する。 そのうごめく空間のせいか、頭がクラクラしてきた。 だんだんと交差点の中心が渦を巻いていくような気がしてきた。 その中心に全てが吸い込まれてゆく。 横断歩道の白いライン、信号機の赤や青や黄色、髪の薄いおじさんやふとったおばさん、ハイヒールの女性の足音、革靴の音、太陽や青空まで見るものが皆急激に飲み込まれていく。
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