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「ハァ…ハァ…ったく何てやろうだ…痛ってぇなぁちくしょう…」
少しかすっただけだが傷は、今後の戦いに支障をきたしかねない。
そんな思いを胸に潜め、相手が動きだすのを待つ。
「ふっ…やはり汝ら人間には、いきなり魔力は、使えぬか…」
マルコシアスから嫌みのような声が聞こえた。
「あのやろうめ…ん?」
マルコシアスの文句を言おうと、思ったが、いつのまにか傷からの出血がおさまっていた。
"傷の治りが速い!…これが、魔力なのか?"
傷の治りから、魔力の存在を確かめ、相手を見据えた。
"この感じ…傷の治りに気づいてから体が軽く感じる…これが魔力なのか…"
"行ける!"
そんな感じがした。
「あの顔…魔力を感じることが出来たのだな…あやつは、意外と才能があるかもしれんな…」
十六夜に聴こえない程度の音量でマルコシアスは、十六夜を誉めた。
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