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「唐揚げいただき!」
「あー!それ私の唐揚げ!」
「へっへーん。もう食べちゃったもんねー」
「もう。光ったらまた人のおかずを横取りして。美咲ちゃん、私の卵焼き一つあげるから泣かないで?」
「ううっ、楓ちゃんありがと~」
お昼休み、私は教室で友達の森山光(モリヤマ ヒカル)ちゃんと西城楓(サイジョウ カエデ)ちゃんと一緒に机を合わせてお弁当を食べていた。
2人とは中学の頃からの付き合いだ。
一緒の高校に受かって三人揃って同じクラスになれて、こうしてまたニ人と一緒に同じクラスで勉強して、一緒にお昼を食べて過ごすのが私にとってはとても幸福な時間でもある。
「それにしても美咲、あんた今日は災難だったね。朝っぱらから公衆の面前でプロポーズされるなんて」
「むぐっ」
私は光ちゃんの言葉にご飯を喉に詰まらせてしまった。
だだだだだってプロポーズって、一体何の話!?
「むぎゅー!」
「美咲ちゃん落ち着いて。ハムスターみたいでとても愛らしいけれど、それじゃ何を言っているのかわからないわ」
はい、お水。と、とても綺麗な微笑みで楓ちゃんは私に水を渡してくれた。
私はそれを受け取るとゴクゴクと音をたてて、口の中のものを一気に胃に流し込んだ。
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