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ここはユリアス大陸と呼ばれるアースの大陸でも随一の大きさを誇る地で、ストークタウンと呼ばれる緑溢れる小さな村は、ユリアス大陸の片隅にある村である。
そんな片隅にある小さな村に、変わった風貌をした旅人が現れ、注目されていた。
外見は背中まである跳ねた銀髪の二十代前半の青年であり、男はかなり長身であるにも関わらず、地面に付いてしまいそうな分厚い黒のロングコートを着ている。
しかし、何よりも特徴的なのは、その風変わりな両刃の大剣を、鞘も無しに背中に貼り付けるように背負っている事だろう。
その大剣は、シンプルに鉄棒を刺しただけのような柄に反し、刃は鋭く尖った先端、男の背中が半分以上も隠れる程の大きな刀身、そして刀身は黒を主に、緑、紫、赤等の様々な輝きを放っていた。
見ただけで只者で無いのが分かる風貌だが、この男は数日間、あろう事か、酒場でずっと飲んだくれているのだ。
「私は王都ラグネルナに行きたいんだが、この辺りに手頃な馬車か何かは無いのか?」
「お客さん、ラグネルナの観光客かい? 残念ながら馬車は軍が使ってるから今は無いね。少なくとも一週間は待たないとね」
「だとするとラグネルナまでは徒歩で行くしか無いか……」
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