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「手は出さないか……なら、私から行くぞ──!!」
「────!?」
セレナの視界からアノンが消えたと思った瞬間、アノンは凄まじい速度でセレナに接近しており、セレナはバックステップで距離を取ると同時に、アノンの拳は先程までセレナのいた場所の空を切った。
「ほう。この速度には反応したか……なら──」
「──ラァァァ」
「!?」
アノンが再び接近しようとした時を狙って、セレナの歌声のような声が耳に入り、アノンの行動は封じられた。
先程の経緯の時にセレナが異能力者なのは聞いていたものの、肝心のシンの能力が具体的に何かまでは分からなかったので、アノンは一瞬で決着を付けようとしていた。
しかしアノンの誤算は一瞬で決着が付くと思っていた事であり、セレナによって容易くシンの発動を許してしまったのだ。
「そうか……!? これがお前のシンの能力か!!」
「もうアタシのシンの能力に気付いても遅いわよ!!」
アノンが拘束されている隙に、セレナは短剣を持ってアノンに斬りかかった。
「確かに厄介なシンではあるな……“相手次第ではな!!”」
セレナがアノンのすぐ近くまで来た辺りで、セレナの声支配(ボイス・コントロール)の力を無視したような高速回避をして、今度はセレナの短剣が空を切った。
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