1‐3章──王都ラグネルナ

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「なっ……!? 何でシンが──!?」  セレナは驚いたが、アノンは休む間も無くセレナに踵落としをするが、セレナは咄嗟に反応すると同時にバックステップで距離を取った。  アノンの踵落としで地面は粉々に砕け、アノンは再び高速でセレナの背後に回り込んで、セレナの両手を片手で押さえ込みながら、地面に押し倒した。 「くっ……!!」 「止めておけ。2ランクのシンの力だと分かっていれば私でも十分に対処可能だ」  地面に押し付けられながらも暴れるセレナに、アノンはセレナにのし掛かると同時に、片手で頭を押さえ込み、完全に無力化した。 「どうやらシンについて何も知らないらしいな」 「自分の能力が2ランクのシンだって事位、自分でも分かってるわ! 何しろアタシのシンは精神関連のシンだからね!!」  シンの能力にもある程度のランクは三つまで存在する。  まず一般的に最もランクが低いシンである1ランクは、2ランクにも3ランクにも属さない能力の事で、シンの中で最も多いランクであり、大半以上のシンはこれに分類される。  そしてセレナのシンが属する2ランク、これは精神的、あるいは身体に直接干渉する能力で、例えばセレナならば耳から脳に干渉して操る能力であるように、催眠術の類いもこのランクであり、かなり珍しい能力である。  そして最も希少な3ランクは自然、あるいは時空間と言った超常現象を擬似的に起こすシンの能力がこれになる。  しかしこの3ランクのシンの能力を持つ者は、世界中の異能力者でも、ほんの一握り程度だろう。
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